グーグルは最近、GmailにおけるBIMI（Brand Indicators for Message Identification）電子メール仕様のサポート拡大を発表した。電子メール仕様」と言われても、おそらくピンとこないだろう。ちょっと待ってほしい。BIMIは、ビジネスを推進し、それを守ろうとするチームにとって、多くの可能性を秘めたシンプルなコンセプトだ。
簡単に言うと、BIMIは、メール送信者が商標ロゴを受信者のメールボックスに表示することを可能にします。これにより、広告スペースを購入することなく、マーケティング・メールへのエンゲージメントを向上させ、ブランド・インプレッションを提供することができます。BIMIは、メール認証プロトコルであるDomain-based Message Authentication, Reporting & Conformance (DMARC)を拡張したもので、配信可能性を高め、フィッシングやその他のソーシャルエンジニアリングメール攻撃に対する防御に役立ちます。
ブランドインジケータがないと、メールの受信者はアバター、つまりイニシャルの入った円だけを見ることになります。ブランド表示のないメールは、他のプロモーション、確認、スレッドと区別がつかず、ユーザーが正当なメッセージと詐欺メールを見分けることは困難です。また、BIMIの採用は、あなたの組織が電子メール送信インフラを認証するための措置を講じていることを示すことによって、あなたのブランドに対する社会的信用を強化します。
グーグルは、送信者のロゴの横にチェックマークを表示する機能をリリースすることで、BIMIのサポートを次のレベルに引き上げた。このチェックマークは、送信者組織がメールサーバーを認証し、ロゴの所有権を証明するために必要なステップを通過したことをユーザーに示します。前者はDMARCを実施することで満たすことができます。後者は、ベリファイドマーク証明書（VMC）を取得するために必要な検証を行うことで実現できます。
電子メールは依然として、犯罪者がマルウェアやクレデンシャル・ハーベスティング（認証情報の搾取）攻撃を仕掛けるのに好んで使われるベクトルである。2022年Verizon Data Breach Investigations Reportによると、「人的要素が引き続き侵害の原動力」となっており、組織はマルウェアの75%以上を電子メールで受け取っています。このような問題は、インシデント対応コスト、カスタマーサポート、不正行為の損失を増加させることで、すべての企業に影響を与えます。
Gmailに表示されるロゴとチェックマークは、あなたの顧客や従業員があなたのメールの信憑性を信頼するための単なる視覚的な合図です。その結果、パスワードが流出したり、デバイスがマルウェアに感染したりする可能性が低くなります。もちろん、従業員はセキュリティ意識向上トレーニングの教訓を放棄すべきではありませんし、顧客に対しても詐欺に関する教育を続けるべきです。
BIMIは、Eメールの信頼性を視覚的に証明するだけでなく、マーケティング担当者に一貫したロゴを強制する手段を提供し、Eメールマーケティングキャンペーンにおけるオーディエンスのエンゲージメントを向上させ、信頼性と安全性の約束を実現します。ブランドリフレッシュを経験した人なら誰でも、Eメール送信に使用される複数のシステムやサービスのレガシーロゴの追跡に時間を費やしたことがあるはずです。BIMIが提供するブランド・インプレッションは、あなたのEメールが一般的な受信トレイの乱雑さの上に立つことを可能にします。視聴者がBIMIをより意識するようになれば、あなたの組織が偽者詐欺やその他の詐欺と戦うために利用可能なステップにコミットしていることを評価するようになるでしょう。
ブランドインジケーターは、ドメインネームシステム（DNS）レコードで一元的に設定できるため、対応するメールボックスプロバイダであれば、どのプロバイダでもロゴを表示できます。これは、一括メール、トランザクションメール、個別メール（マーケティングプラットフォーム、CRMプラットフォーム、企業メールなど）の送信に複数のテクノロジーを使用している企業にとって特に便利です。
Gmailのこの機能強化は、あなたの組織がBIMIを採用し、VMCプロセスに着手する必要があることを示すもう一つの兆候です。そうすることで、競争上の差別化を図ることができ、電子メールを目立たせることでメリットを実感し、ブランドに対する社会的信頼を強化することができます。VMCの詳細については、DigiCertのVerified Mark Certificatesのページをご覧ください。
